令和7年度(2025年度)所長あいさつ

 

 

 

 

 ようこそ、北海道立特別支援教育センターのWebページへお越しくださいました。

 

 北海道立特別支援教育センター(以下「特セン」という。)は、北海道における特別支援教育の振興と充実を図ることを目的として、昭和62年(1987年)に札幌市中央区の円山西町で開所し、今年度で39年目を迎えます。

 これからの特別支援教育においては、インクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨とし、全ての子どもが適切な教育を受けられる環境を整備することが重要であり、障がいのある子どもとない子どもが可能な限り共に学ぶことを追求するとともに、個々の教育的ニーズに応じた指導を提供することができるよう、多様で柔軟な仕組みを整備することが求められています。

 こうした状況を踏まえ、特センでは、北海道立特別支援教育センター条例に基づき、教育行政課題や学校現場の喫緊の課題に機動的に対応するなど、北海道の特別支援教育の振興を図るため、5つの事業を、6つの教育室(視覚障がい、聴覚・言語障がい、知的障がい、肢体不自由・病弱、自閉症・情緒障がい、発達障がい)により計画的、総合的に推進します。

 

 教育相談事業では、主訴に迫る丁寧なアセスメントの実施のほか、本人・保護者、学校及び地域の関係者との連携を深めた早期からの一貫した教育相談の充実に努め、来所又は巡回教育相談後の学校との連携や保護者の要望に基づくフォローアップの充実を図ります。

 調査・研究事業では、国及び道における特別支援教育に関する動向やこれまでの特セン研究の流れを踏まえ、特別支援教育を一層充実させるべく基礎的・探求的な研究のほか、学校段階や障がい等に応じた授業づくりや指導・支援の充実に資する実践的な研究の充実を図ります。

 研修事業では、広域な地域特性を本道における研修の充実を図る観点から、特定の集合研修を全道7つのサテライト会場で実施します。また、受講者自身の主体的・対話的で深い学びの実現のため、探求のプロセスを重視した内容の工夫とともに、協働的な学びを通じて研修内容を深めていくことで、研修効果の高まりと学び続ける教師の姿の実現を図ります。 

 広報啓発事業では、国の動向や道の施策の他、特別支援教育に関する最新の情報、各学校の先進的な取組などについて、これまで特センを利用してきたユーザーのほか、通常の学級の担任、教員養成段階の学生など幅広いユーザー層に向けた情報発信に努めます。また、WebページやSNSなどの各媒体の特徴を生かした効果的な運用を図り、特別支援教育の理解・啓発を図ります。

 ICT教育推進事業では、資質・能力の育成に向けた授業改善や働き方改革の推進等をテーマに障害の状態に応じたICTの活用や学校教育の情報化に関する情報発信の他、資料提供や授業づくりへの参画などの校内研究への協力、ICTに係る協議会の開催など特別支援学校等と連携した教育の情報化の充実を図ります。

 

 特セン各事業部及び教育室においては、「授業改善の充実」、「専門性の向上」及び「一貫した教育相談の充実」を取組のキーワードとした今の時代に求められる役割を遂行するよう事業の質的転換を図るとともに、障がいの状態に応じた指導や支援の充実を通して、誰もが生き生きと活躍できる社会の実現に向けた特別支援教育の推進・充実に所員一丸となって取組を進めてまいります。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

令和7年(2025年)4月

        北海道立特別支援教育センター所長 柏 木 拓 也