所長御挨拶[根記事一覧]

特セン2022/04/01 17:59:07


 
 ようこそ、北海道立特別支援教育センターのWebページへお越しくださいました。


 北海道立特別支援教育センター(以下「特セン」という。)は、北海道における特別支援教育の振興と充実を図ることを目的として、昭和62年(1987年)に札幌市中央区の円山西町で開所し、平成19年(2007年)4月に現在のセンター名に改称され、今年度で37年目を迎えます。

 さて、本道では、障がいのある子供と障がいのない子供がともに学ぶ共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの理念の下、全ての子供たちが、障がいの有無にかかわらず、多様な個性を互いに認め合い、支え合いながら、ともに学んでいくことができる環境を醸成し、誰もが生き生きと活躍できる社会が実現するよう、特別支援教育を推進しています。
 近年は、少子化により子供たちが減少する中、特別支援教育に関する理解や認識の高まりのほか、制度改正などに伴い、特別支援学校をはじめ、特別支援学級や通級による指導を受ける児童生徒は増加傾向が続いています。

また、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒も増加しており、このような子どもたち一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や支援を行うためには、更なる特別支援教育の充実を図る必要があります。

 

 これらのことから、特センでは、各教育室が専門性を発揮し、各障がい教育の向上に努めるとともに、教育相談、研究・研修、広報啓発・ICT教育推進の各事業において、学校、教育局、市町村教育委員会、医療、福祉等の関係機関と連携・協力しつつ、広域な北海道全域をカバーしながら道内外の動向も踏まえた教育行政課題や学校現場の喫緊の課題に機動的に対応し、北海道の特別支援教育の充実・発展に資する取組を推進してまいります。

 なかでも重点的な取組として、教育相談事業では、適切な学びの場が決定するよう、「全ての管内における巡回教育相談」を実施し、本人・保護者へ支援を行うとともに、教育相談を受けた子供が教育的ニーズに基づいた指導や支援を受けられるよう、「在籍する学校と連携した遠隔教育相談」を一層推進します。

 また、研究・研修事業では、研究において、初任段階にある特別支援学校の教員がその経験やスキルに応じた専門性を高められるよう特別支援学校と連携して、「人材育成プログラム」の開発を行うとともに、研修では、受講者の資質能力が一層向上するよう、研修の目的及び対象のキャリアステージ等を明らかにした、「研修講座及び自主的研修コース」を開催します。

 加えて、広報啓発・ICT教育推進事業では、教員等の視聴者が自身の専門性を高められるよう、指導・支援の参考として活用可能な動画や資料を適時、特センの「特別支援教育YouTubeチャンネル」で配信するとともに、特別支援学校において「Googleドライブを活用した各学校間のデータ共有」が効率的かつ効果的に行われるよう、ICT活用の環境整備などに取り組みます。

 
 社会の変化が加速度を増し、複雑で先行きが不透明な時代ではありますが、我が国における今後の特別支援教育の動向と展望を見据え、一人一人の子供たちが、その可能性を最大限に伸ばし、互いに助け合える共生社会の実現に向け、本道の特別支援教育の充実に資することができるよう、所員一丸となって事業を推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 
 
 令和5年(2023年)4月

北海道立特別支援教育センター所長  今 井 章 文